最初は「Developers Summit 2011 Kansai(通称:デブサミ2011関西)」に参加するつもりでしたが、この「ScrumBC」が併催されると聞いて、(申し訳ないなぁと思いつつ)キャンセルしてこちらにしました。
コーチ陣はScrum界隈でよく知られた方が6人もいるという豪華な陣容でした。
参加者…30人ちょい…もほぼ時間通りに集まり、意識の高さが伺えました。
見渡してみると、プロジェクトリーダー的役割で活躍して(そして苦労して)いる方が多そうな印象でした。
#スーツ率は1/3くらいで、同じグループの方に聞いてみると「普段は私服だが勉強会ではスーツが習慣」な方もいたり、「勉強会に出るのが初めてでどんな格好か分からなかったのでスーツ+ネクタイ」の方もいました。
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◆チームビルディング
このグループ分けの方法、デイリースクラムをやって距離感を縮める、「ランチ一緒に行ってみてね〜」の薦めなど、参加者がうまく入れるようにする仕掛けに感心しました。
#これは自分達の組織の社内研修などでも取り入れると良いと思いました
◆Scrum概論(原田騎郎(@haradakiro)さん)
Scrumの流れをデイリースクラムやスプリントなどの「タイムボックス」、プロダクトバックログやスプリントバックログなどの「インプット」の観点からの説明してもらいました。
自分の気づきは、スプリントレビューの説明から「一種の進捗確認だが、WFの進捗確認との違いは実際に『動くモノ』を見せる点」という件。
最近スプリントレビューでのチーム内デモを充実し始めたので、余計に実感できました。
後は「Inspect and Adapt(検査して適応)」の話。
自分達のチームに当てはめたときに「適応」に対してはもっとうまくやれる部分があると思いました。
#ちなみにこの「検査して適応」は午後の「紙飛行機ワークショップ」で強く実感しました。
また「スクラムマスター(SM)はチームが能力を最大限発揮できるようにする」のが役目の1つだと再認識し、自分達のチームに「開発に集中できているか?」をゆっくりディスカッションしてみたいと思いました。
◆紙飛行機ワークショップ
とにかく印象に残っています。
端から見ると30人以上の大人が必死に「紙飛行機の効率良い作り方、飛ばし方」を議論して、走り回って紙飛行機を飛ばしまくっている姿は面白いかも…と思いましたが、みんな真剣でした(もちろん自分も)。
自分達のチームは1回目は全然ダメで、それを「検査して適応」し、2回目では良いアウトプットができました。
制約を外すことができた3回目でも、役割分担(飛行機を作る/整える/運ぶ/飛ばす)を行い、さらに良いアウトプットができました。
最後の制約が戻った4回目では、それぞれのアウトプットのスピードがアンバランスになりタイムロスが出てしまいました。
「スプリントの途中でもすぐに役割毎のリソースを調整すれば良かった」とグループのフリカエリで出ていました。
◆Artifact+PBI作成ワークショップ(川口恭伸(@kawaguti)さん)
バーンダウンチャート、ストーリーカードのお話、そこからプランニングポーカーを使った見積もりのワークショップ…という流れでした。
プランニングポーカーでの見積もりは、(自分達のチームでもやってことがありますが)ほぼ例外なく、参加者のワクワク感が一層高まり、楽しそうにやっていました。
「見積もりの数字の違いに驚く」→「その違いをディスカッションして埋めていく」→「見積もりの数字が合う」=「チームで共有できる」というのをすごく実感できました。
また悩みだった「ストーリー間の前後関係を考慮した数字にするか?」の回答を得られました。
結論は「依存関係がない」前提で見積もるのが良いということです。
依存関係があるとタスク同士が結合し柔軟性がなくなり、プロダクトバックログの優先順位を自由に動かせなくなります。
また結果的に(前に作ったストーリーを参考に)早くできたのであれば「チームが工夫して」でVelocityが上がって良かったね…というロジックの方が前向き…ということです。
◆その他1
(たぶん)QAの会話で印象的だったのが「WFとAgile(Scrum)ではお客様とのモメ方が違う」というお話でした。
WFでは最後になってドカン!!と「自分がほしいのはこんなのではない」ともめますが、Agile(Scrum)ではスプリントレビューやプロダクトバックログを見直すタイミングで小さなもめ事がちょくちょくあるいう内容でした。
その小さなもめ事は、プロダクトが出来上がっていくうちにバラバラだったそれぞれのイメージが共有されていく故に出てくる健全なことで、むしろ、そういう意見の相違や小さなもめ事が出ないことは「お客様が本気になっていない」可能性がある…というのが印象的でした。
◆その他2
ランチでもグループでのディスカッションを通じて、自分達のチームの、今に至るまでのポイント、これまでの改善点を洗い出すことができました。
また「Agile(Scrum)は属人性がすごく高いのでは?」「レベルの高低がありすぎて、(ファンクショナルチームを実現できるような)スーパーマンみたいな人ばかりでない」と疑問が出ていました。
この辺りは自分も悩んでいる所だったりします。
◆その他3
それぞれのコーチにも特色があり、(大きな違いではないけど)それぞれの意見もしっかりあって良かったです。
コーチ陣自体が非常に良いチームな印象でした。
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(最後は駆け足気味でしたが)本当に盛り沢山で気づきもたくさんあって充実した「ScrumBC」でした。
#「AgileSamurai」の監訳者の一人である西村直人(@nawoto)さんと久しぶりにお会いして、サインももらったり、Blogなどで多くの情報発信をして「いつかお会いしたいなぁ」と思っていた吉羽龍太郎(@ryuzee)さんと初対面を果たしたり…とその点でも満足できました。
今度は現場、チームで実践している方達同士での、どんな悩みがあって、それにどんな工夫をしているのかガッツリ、もっとディスカッションしたくなりました。
最後になりましたが、スタッフ、コーチ、参加者の皆さん、良い時間をありがとうございました。